就労先の未来を見据えたプログラムと独自のシステムが魅力 就労移行支援施設「リヴァトレ」を紹介

就労先の未来を見据えたプログラムと独自のシステムが魅力 就労移行支援施設「リヴァトレ」を紹介

リヴァトレは、東京に4カ所、仙台に2カ所構える就労移行支援施設です。うつ病や不安障害などの精神障害や発達障害のある方を中心に、就労を目指す多くの方が利用しています。

リヴァトレが目指しているのは、就労のためのスキルを身に付けることだけではありません。就職後の人生も自分らしく幸せに生きることを目標としています。

そのために用意された数多くのプログラム(約40種類)は、以下の4つの要素に大きく分けられます。利用者はそれらのプログラムを通して働くため、そして自分らしく生きていくための力を身に付けていきます。

・生活習慣を身に付ける
・ストレス対処法を身に付ける
・職場で働くための実践力をつける
・生き方の再構築


今回は、リヴァトレのスタッフ福井宏昌さんに、支援内容を詳しく教えていただきました。利用者ひとりひとりの人生に寄り添ったプログラムに込められた思いや魅力をご紹介していきます。

目次

1.生活習慣の乱れを自分でリカバリーできる力を身に付ける

2.ストレス対処法を身に付ける

3.自分の価値観を深堀りして生き方を再構築する

4.就職先は多種多様、新たな未来を進み始めるきっかけになっている

1.生活習慣の乱れを自分でリカバリーできる力を身に付ける

①自分の生活習慣を見つめ直す

―まず、生活習慣を整えることに力を入れていらっしゃる理由を詳しく教えてください。

どんな方でも、体調や精神状態を安定させるために、生活習慣を整えることはとても大切なことです。多くの方はそのことをわかっていらっしゃいますし、支援施設に通っている間は生活リズムが整えやすい環境にいられると思います。

でも、気を付けたいのは、働きながらもその生活習慣を続けることができますか?という点です。働き始めると忙しくなるので、睡眠時間や食事時間が短くなることがあります。

そういったときには、疲れやストレスを解消するための自分に合ったリカバリーの方法を身に付けることが大切と考えます。



―確かに、働き始めると就業が生活の中心になりますから、常に安定した生活パターンを維持しづらくなることは想定できますね。具体的にどのような手段で対処法を身に付けていくのでしょうか?

アプローチの仕方は人によって合う合わないがあるため様々ですが、例えばリヴァトレ独自のシートを使って、1ケ月の行動パターンを記録していきます。その記録を定点観測してみると、自分の行動や生活のパターンがわかっていきます。
体調不良の日があったのなら、その原因が何なのかを生活記録から見つけられることもあります。例えば活動量が多い日は、翌日体調に影響を及ぼしやすいなどといった自分の特徴が見えてきます。

自分の行動を記録することは、自分の傾向を掴むために大切なことです。調子が悪くなる行動を避けたり、悪くなる前に対処法を見つけたりすることにつながります。



②独自開発した日報を活用

―自分の行動や生活パターンってわかっているつもりなんですが、知らないうちにやっていることや、疲れるとわかっていてもやってしまう経験って確かにあります。だから改めて振り返ることで気づくことは、たくさんありそうですね。
記録には、独自のシートを使っていらっしゃるということですが、他にも独自開発されたツールはありますか?


はい、リヴァトレは10年以上にわたり就労支援や復職の支援を行っていますので、培ったノウハウを活用し、様々な独自のシステムを開発しています。

利用者の皆さんが毎日記入する日報もそのひとつです。手書きの日報を使う施設が多いと思うのですが、リヴァトレはシステムに入力する方法を取り入れています。

システムを利用するメリットは、スマホでもアクセスすることができるため、過去の記録をいつでもどこでも自分で見直すことができる点です。例えば体調が悪くなったときは、過去の似た事例を見直すことで、自分の傾向と対策に結びつけることができます。

また手書きの日報と比べると、私たち支援者の管理業務もスムーズになりますので、支援の仕事に力を注ぎやすくなったというところも良かったですね。

これら独自システムは、他の就労移行支援施設様も導入されているのですが、様子を見るだけでは分からない体調や気分の波に気づけるようになったとのお声をいただいております。

2.ストレス対処法を身に付ける

①ストレス対処法を学び、状態に応じたセルフケアできる力をつける

―ストレス対処法を身に付けることにも力を入れていらっしゃるとのことですが、どのようなことを行うのでしょうか?

まずは「自分にとってどんなことがストレスになるのか」「ストレスがかかった時、自分にどんな変化(リヴァトレでは注意サインと呼んでいます)が生じるのか」をプログラムを通じて探っていきます。そして、ストレスや自分自身に生じている変化に対する効果的な対処方法を整理し、働きながらでも実践できるように準備します。
例えば、リヴァトレでは精神療法の「集団認知行動療法」をベースに取り組むこともできます。

集団認知行動療法で用いられるコラム法は、状況や気分、思考などの項目について自分の考えを書き出し、記録しながら自分の行動を振り返っていくのですが、やり方を身に付けると退所後も自分で続けられるようになる良さがあります。

自分で続けられるようになると、働きながらセルフケアすることもできますので、症状の悪化や再発防止が期待できます。
退所されたOBやOGの方の中には、コラム法を続けている人も多くいらっしゃいます。

集団認知行動療法、コラム法についてはリヴァマガジンで詳しく紹介しています。
うつ病などに効果的?『集団認知行動療法(CBGT)』の効果やデメリットなど


3.自分の価値観を深堀りして生き方を再構築する

①独自のツールを用いて行うキャリアワーク

―次は、自分の価値観を知るための取組みについておうかがいします。このプログラムでは、どのようなことを行うのですか?

私たちリヴァトレがゴールにしているのは、就職だけではありません。その先も幸せに過ごすことを目指していますので、このプログラムでは自分の未来について考えていきます。

そのためには、まず自分の価値観を知ることから始めます。

例えば、「キャリアワーク」というプログラムでは、独自のツールを利用して、自分にとって大切なものは何か?過去でイキイキしていた時はいつか?といった質問に答えながら、自分の価値観を掘り下げていきます。
過去の自分、今の自分を知ることは、未来の自分を考える上で大切な材料になります。

価値観や理想の未来像は、グループで発表しお互いの意見を聞き合いますが、大人になって自分の思いや考えを人に発表する機会って少ないですよね。こういった経験は刺激的ですし、他の人の考えを聞くことで新しい発見につながったという方も少なくありません。

4.就職先は多種多様、新たな未来を進み始めるきっかけになっている

リヴァトレでできることは、実務スキルの訓練だけではありません。就職とその先の未来をどう進んでいくのかといった利用者の生き方に寄り添った支援を受けることができます。

ですから、リヴァトレを退所した後も、利用者一人一人が自分の力で乗り越えていく力を身に付けるプログラムが充実しています。
その内容は、生活習慣を整えるといった基本的なことから、ストレスへの対処法やセルフケアといった精神疾患と付き合う方法、そして自分の価値観の再構築に至るまで多岐に渡ります。

何かの技術に特化するのではなく、生き方の根本に寄り添っている支援は、利用者の就職先にも表れていて、フリーランス、農家、Wワーク、海外移住、学校へ入学など多種多様。そして、障害者雇用に限らず、一般就労に就く人が半数以上というのも特徴的です。

リヴァトレはセルフケアの方法を身に付け、より自分らしい生き方・働き方を見つけて新しい一歩を踏み出すためのサービスです。

リヴァトレの詳細はホームページをご覧ください
リヴァトレホームページ

    著者

    就労移行支援施設に関する口コミサイト「ジョブレ」を運営中。 丁寧な取材や口コミの分析を通して、病気や障害とうまく付き合いながら働くための、そしてより自分らしい働き方を見つけるヒントとなる情報を発信しております。

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